においの豆知識
においに関する豆知識
人間は約4万種類ものにおいを嗅ぎ分ける
私たち人間はおよそ四万種類ものにおいを感じることができると言われています。この「におい」の主成分は、炭素の六角形構造からなる有機化合物で構成されており、これらがさまざまなにおいを出しています。有機物に対して、無機物にはほとんどにおいがありません。
しかし、例外的にフッ素、塩素、ヨウ素、臭素、ハロゲン、硫黄などにはにおいが存在し、オゾンや硫化水素、酸化硫黄、酸化窒素などにもにおいはあります。これらのほとんどは、鼻がツーンとくるような刺激臭がします。
人間は刺激臭を嗅ぐと、涙がでたり鼻水が流れてきます。これは感覚器の中にある三叉神経が刺激される為で、感じ取った刺激臭を洗い流そうとする働きが生じているのです。
鼻が利く人、利かない人
世の中には鼻が利く人と利かない人がいます。現在の見解においてはその理由はまず遺伝的なものはあるだろうと考えられています。また、後天的な原因として考えられているものには「学習」があります。
その人がそれまでの人生でたくさんにおいを嗅いでいたら、人よりも鼻が利く傾向があるそうです。勿論、生まれた地域や国、生活習慣などによってかなり個人差は生じてきますが、自分に馴染み深いにおいは他国の人よりも敏感である場合が多く、長年の訓練の成果といって良いかもしれません。
また、その人の「意識」も深く関係している可能性もあるそうです。
例えば煮物のこげたにおいがした場合、主婦はすぐに気がつきコンロの火を消そうとするが、夫は気がつかないことが多いそうです。これはいつも料理をつくっている主婦と夫では、こげたにおいに対する情報量や質がまったく異なるからだと考えられています。また、もしも夫がタバコ会社や清酒工場に勤めていたとしたら、タバコやお酒のにおいに関して、先とはまったく違う逆の結果が出ても不思議ではないともいえます。
さらには呼吸の仕方にも関係が認められていま。近年、鼻呼吸ではなく口呼吸をする子供が増えているといわれていますが、鼻で呼吸していない場合、においに敏感になるはずがありません。口呼吸になる理由として、蓄膿症など鼻の疾患や、アレルギーを持つ子供も増えている事も関係しているのかもしれません。医学的にいうと、鼻呼吸には鼻の奥の空気をつねに交換して、脳の温度を適度に下げるラジエーターの役割があるといわれています。また、肺にチリやホコリを入れにくくする効果もあり、喚覚だけでなく鼻呼吸は健康に大きく関わっているのです。
一般的に鼻が利くのは男性より女性といわれています。官能試験を行うと、最も嗅覚が鋭敏なのは、20歳代の未婚の女性という結果が出ているそうです。しかしその結果で興味深いのは、それらの女性達はとくにむれた靴下の臭いなど、悪臭への反応が非常に高いということだそうです。驚くことに嗅覚が鋭敏な人は、鋭敏でない人の約1000万分の1の濃度でも喚ぎ分けた例があるそうです。
フェロモンとは?~魅惑的な体臭・臭いについて
今では一般的にも知られるようになった「フェロモン」。フェロモンが異性を惹きつける、などという説もありますが現在の所では人間には確かな確証は得られていません。
しかしながら古くから「香料」を媚薬として用いてきた歴史は存在しているのです。例えば、世界三大美女の一人である楊貴妃(ようきひ)は実は多汗症で強い匂いの赤い汗をかき、その香りは麝香(じゃこう)にも似た匂いだったという説もあります。
また、春秋時代の書物には「西施」という美女がおり、美しい美貌だけでなく体より自然に芳しい香りを出し、呉国の王である夫差を骨抜きにする為に贈り物とされた、との記述もあるくらいです。
このように匂いというものは、古くからも我々人間の生活に身近にあったものであったようです。香料や媚薬という文化は私たちが暮らす日本でも存在していた事も確認されています。
フェロモンというのは如何せん眉唾なものも多いように感じますが^^;、古くからリラックスする匂い、魅惑的で異性を惹きつける匂い、強壮としての匂いなど様々に香料が実在していたようです。